聖火ランナー体験レポート~深谷のランナー~

なかなか体験出来ることでは無いので自分への思い出メモとして記しておきます。
本当は昨日のうちに書こうと思っていましたが、コンビニ弁当食べて朝まで寝ちゃってました。

長々とした文章になりますのでお暇な時にでも読んでください。

2019/7/17—聖火ランナー応募先にエントリー
2019/12/12—聖火ランナー内定のメールが届く(その頃には「深谷ねぎまつりPRのため」と応募していたことを忘れていた)
2020/3/25—延期のお知らせ
…その後、取材や再エントリーの意思確認等あり
2021/2/25—トーチ購入のお金を振り込む(トーチはプレゼントではなく任意で購入。金額は7万ちょい)

2021/6/24—14日前から体調管理チェックシートに体温等を記入。

7/7【前日】—お祭り好きなので白い足袋で走ろうと思っていたが念の為確認。NGとのこと。日本の伝統なのに。走行にも安全なのに。
急遽スポンサー企業であるアシックスの白いスニーカーを購入。早く寝たいがSNS等での問い合わせと興奮であまり寝られない。コロナ対策で走行場所や時間等の詳細は内緒だったのでギリギリまで問い合わせが多かった。

7/8【当日】
7:30—シャワーを浴びる(これは報告しなくていーか笑)
8:00—「インナーもやっぱりあったほうがいいんなぁー」と思いワークマンで購入。
遅刻は資格を失う可能性もあるとのことなので畑のフェラーリ軽トラックで本庄はにぽんプラザまで。
8:30—到着。受付は9:10~。早すぎた。駐車場、受付等ではスタッフさんが忙しそう。スタッフさんは右と左が色違いのアシックスのスニーカー。格好良い。

9:10—受付開始。チェックシートと体温を再確認。ユニフォームをいただき2階の更衣室で着替える。僕のランナー番号は「0990318」。預けた手荷物や諸々、このスロットIDと名前で管理。ポケットに入る私物以外は持ち出せない。


9:30—多目的ホールに集められ走行に際しての注意事項や聖火の受け渡し(トーチキス)の説明を受ける。僕はアンカーなので受けはあっても渡しは無い。中学の頃パスをもらってもパスを出さないスタンドオフで怒られたのを思い出した。パスが下手なんだよ。キックも下手だし、ラグビーが下手。

福島県から始まり全国を回る聖火。丁度僕らで100日目らしい。コロナ対策で東京の聖火ランナーさんが難しくなるようなので公道を走れたのは我々埼玉のメンバーが最後。
「どんな感じでやります?」と、おじさん同士でキス(トーチのね)の相談などをし、その後初めてトーチに触れる。冷んやりだが熱く、軽いが重い。
ここで衝撃の事実を皆が知る。「これからバスに乗っていただきますが…その間トイレに寄れることは100%ありません。」。。。およそ3時間半ほどの緊張。
SAITAMA限定のタオルをいただいた。

10:30—トイレ等済ませ再集合。はにぽんプラザの職員さんやオリンピックスタッフさん、会場に集まる沢山の人に励まされながらバスで乗車。バスはオリンピック用にデコレーションされたマイクロバス。中はいたって普通だが乗降口脇にトーチを立てるスタンドがある。傘立てのような感じ。何やら式典をやっていたり大きなスクリーンに何か映し出されていたが見る余裕なし。

道中もそうだがバスに乗ると沢山の人にスマホやカメラを向けられる。最初はランナーを撮っているものだと皆が思っていたが、ラッピングされたバスを撮っていることに途中皆で気づく。
バスに乗り再認識したが、ランナーは僕も含めほぼオジサン。僕のように応募して選んでいただいたのは僅かでほとんどがパートナー企業の方。社長さんが多そう。まぁ、僕も社長なんですけどね。社員さんが居ないだけで。

11:10—いよいよバスが動き出す。ゆっくりゆっくりと。スタッフさんが連絡を取り合い運転手さんに速度指示を出す。「15キロ」や「5キロ」とか。前後の車間距離を気にしながら我々ランナーも気遣ってくれる。本当に気遣ってくれる。ボランティアでは無く有償の仕事として参加されているそうだが僕には出来ない大変そうな仕事。
沿道は沢山の人。コロナ禍でなければもっと多かったのだろう。小さいお子さんの応援に車内が和む。
水は無料でいただけるのだがトイレの恐怖で皆飲まない。お弁当は出ない。僕+2人、一番後ろの座席の3人だけ早々に水をいただいた。遠足の時代から一番後ろの席に座る人は元気が良い。早々と言っても17号国道の不二ドライブインが見えてきた頃だった。

ゆっくりと進むバスからポイントごとにランナーさんが降りる。目印は緑色のカラーコーン。
スポンサー車や機動隊車両等色々な車で列を作り、比較的前を走る僕らランナー搭載車は送り出されたランナーさんを降ろし置いて先へ進む。走り終わったランナーさんは後続のランナー回収用のバスに乗り込む仕組み。ゆっくりゆっくりと車内の人数が減ってゆく。
本庄・深谷間のトーチリレーは距離も時間も最長と言えるレベルらしい。通常は走行距離200mくらいだが、途中3名は自転車で5kmほどの走行とのこと。小雨の中大変だ。自転車組はトーチからランタンへ火を移し走行。ちなみに、途中で消えることも想定し数本の種火をストックし消えた場合はそこから再度移すとのこと。ギリシャから運ばれる聖火は途中ライターで点けられるようなことは無いんだってさ。
道の駅おかべに着くと市長さんとふっかちゃんが待っていた。バスの中からしか見れないけど。
本庄では知る顔も無かったが深谷に入るとチラホラ見える。ただ僕の席の窓ガラスはラッピングのシールで色付けされ車外からは乗っていることに気づいてもらえない場合が多かった。
やっと深谷だ。自転車での走行は当初予定していなかったらしい。雨も降っている。通行止めの時間を少々オーバーしながら聖火は進む。トラブルにも負けない。
岡部の国道あたりからは知った顔が沢山。走行場所の案内に「うなぎ店前」とあったので最初は岡部のうなぎ店かと思っていた。すっかりその気でいたのだ。数日前に取材予定の兄貴分から「都家じゃね?」と言われて調べ直した。いい加減が良い加減。一番身近なうなぎ家の存在を忘れていたのは貧乏をこじらせているので仕方ない。
知った顔を見るとリラックス出来る。僕はほとんど緊張しないタイプなんだ。
知った顔が増える頃、バスの中のランナーさんは残り5名。それもゆっくりと減ってゆく。
いよいよ中山道。中心市街地。知った顔沢山。
内緒だがお祭りのお囃子で迎えてくれる案もあったらしい。コロナが無ければ。。。
僕のキスのお相手を仲町交差点で送り出し車内のランナーは僕ひとり。都家へと向かう。
バスのドアが空きステップを降りると沢山のお声掛け。地元って有り難い。
多数のスマホやカメラにどこを向けば良いのかわからずにいる時間が少しあって気づけばランナーさんがこちらへと向かう姿が見えた。
スタッフさんに声をかけられマスクを外す。
2人で考えたトーチキスのポーズ…聖火を繋ぐ瞬間のポーズは各々決められるのだ…「おじさんがはしゃいでもなんですから、シンプルにお手本通りの2020で行きませんか?」との僕の提案が通り、お相手が“2”。僕は“0”のポーズをとることに。今思うとはしゃいでも良かったかなぁ。。。ガニ股は“0”を表現。
トーチの仕組み上、先行者のトーチよりやや上にトーチを構え火を受け取る。
あまり時間を気にしていなかったが20分ほど遅れての登場だったのかな?
ヒーローは遅れて現れる。そう決まっているのだ。
ここでトーチの構造を書き記しておこう。本当に美しいトーチなのだ。
オリンピックトーチの素材の一部には、東日本大震災の復興仮設住宅のアルミ建築廃材を再利用しています…とのこと。
桜ゴールドに輝くトーチが上部から見ると桜の花びらになっている…とかは有名ですよね?

折角なので経験者界隈しか知らないであろうことを書くことにします。
持ち手部分の底から中空になったボディに卓上コンロのボンベのような細い缶を差し込んで上部の桜の中心部からガスを噴出させ燃える仕組みとなっています。

ガスの臭いがしないなぁ…?なんて思っていたら、「福島水素エネルギー研究フィールド」で製造した水素が燃料らしいですね。
注意点として髪の毛等に引火しないように。取り扱い説明が出来ないので沿道の家族等にも持たせることは禁止です。との説明がありました。
トーチには正面があります。ロゴが入った面が正面。

以前、深谷市役所に展示された時には彫金されているのかな?と思っていたロゴは立体的に取り付けてありました。

そして、持ち手部分の丸いポッチ。これは目視せずとも握った指先で正面を認識出来るための突起。よく考えられていますね。目に見えない部分のこういったデザインも素敵です。

さて、ランナーのメイン。走行中。
それは色々SNS等で出回っているので割愛しましょう。
いっぱい声かけてもらって、いっぱい手を振って、いっぱい笑顔を見られて、一瞬の出来事でした。
ふっかちゃんが待っていてくれたの凄く嬉しかったなぁ。Y(o0ω0o)Y
あ、一つ思ったこと。
人垣あふれる中心を棒も持ってゆっくり進む。。。こいつぁ~神輿だな。と。
僕の座右の銘は「和背負」

アンカーだった僕にキスをする相手はおらず、ランタンへと火を移す着火器具に火をお渡しし、ボンベを抜いてもらって終了。
市長さんとふっかちゃんと写真を撮っていただき…時間が押していたからかな?マスクを再度して急かされるようにバスへと向かいました。

最後には一人きりだったバスを降りた僕は、全員が笑顔と拍手で迎えてくれるバスに乗車。
始めましてのメンバーがその時にはチームとなっていました。
先頭の補助席に座らされた僕は実家の旅行会社で添乗員をしていた頃を思い出しました。
トーチはそのまま自分で持ちます。消火されても20分ほどは先端付近は熱々らしく保護の為にダンボールを被せてもらいます。


行きのバスとは違い帰りのバスの窓から僕は丸見え。
バスに乗ってからも次々に地元の仲間や家族、親戚がカメラを向けてきます。
「地元過ぎて恥ずかしいので早く車を出してください。。。」赤信号が青にかわるのを待てずにそんな事を言ってました。
あれほど人で溢れていたはずの空っぽになった道を本庄へと向かう。
長いと思っていた拘束時間も終われば…しかも楽しいひと時なら短く名残惜しいもんです。

はにぽんプラザに着いた僕らをスタッフさんが温かく迎えてくれました。
皆さんトイレに駆け込んでましたけど(笑)
到着時間は14:10くらいだったと思います。
再び多目的ホールに集まり、労いの言葉と最後までの予定等の説明。
次々に取材を受け、それぞれ着替えトーチの事前購入者はトーチを受け取ってそれぞれに帰路につく。
アンカーの僕は取材も最終ランナー。一番長い時間聖火ランナーを楽しめたことになる。
オリンピックは沢山の素敵で熱心なスタッフさんに支えられている。これも関わらないと知れなかったこと。


僕が取材で答えたこと。
…ここは皆さんにお伝えしたい。

コロナや大雨で大変な思いをしている方が沢山いる。
その中でのオリンピック開催はどうなのかな?とも思う。
でも、素人の田舎のオジサンである僕が走っても沿道に笑顔が溢れる。
一流の選手のパフォーマンスが励みや笑顔に繋がる瞬間が沢山あることを期待します。

これは、ちょちょらな僕が真剣に思うこと。
そして、ちょちょらな僕は深谷に着いてから違う人の靴を履いて帰ってきてしまったことに気づくのだ。

交通規制等で心配だったので電車で行こうかと迷った。でも、トーチを持って電車乗るの恥ずかしいなぁ。。。絶対SNSでさらされるなぁ。。。と思っていたが素敵なダンボール素材のケースが用意されていた。

帰りがてら市役所に寄った。トーチの展示の相談をする為に。
オリンピックへの風当たりが強く、聖火ランナーに水鉄砲をむけたなんて人もいる。ちょっと考えさせて欲しいとのこと。
大事なトーチに何かされても申し訳ないから。と。
物事は多方面から考えないとだし、深谷市役所の職員さんは信頼出来る。

一夜明け、今日はトーチを車に積んで買い出しの先々で披露してきた。
皆さん笑顔になってくれた。
今後も笑顔のお役にたてればトーチをお持ちしたいなぁ。。。とね。勿論無償で。

ケースの相談もしてきたので展示出来るようになったらとりあえずパンチャで。かな?
ユニフォームも後輩のクリーニング屋に出してきた。

最高に光栄で幸せな経験をさせていただけた。

そんな感じで僕の主観的レポートは終了。
思い出しながらの記憶の記録。
ぐらっちぇ♪がいくつあっても足りない。

あ、そーだ、そーだ。
僕が選んでいただけたのは【深谷ねぎまつり実行委員長】だったから。
延期が決まり【深谷ねぎまつり“初代”実行委員長】として参加させていただいた。
しかし、深谷ねぎはスポンサーでは無いので前に出せなかった。沿道で深谷ねぎ振って欲しかった。
「桜のトーチが横から見ると深谷ねぎの束に見えて親しみがある」的な一文も削除された。
でもね…
僕のトーチだけ…
深谷ねぎだったらしいですよっ!!!

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