昨日、重症となっていた10代の少年が亡くなってしまったらしい。
「焼肉酒家えびす」の事件の被害者である。…半年も苦しんでいたのか。ご冥福をお祈りします。
これで、亡くなった方は5名になったそうだ。
5名もの、尊い命を軽視することは出来ない。でも、一方で「牛肉の生食文化を消し去るほどの人数か?」という意見も多い。
立場が変われば、意見も変わる。
料理人の立場からすると、疑問の多い牛肉生食規制である。魚類の生食のリスクは無いのだろうか?
乱暴な言い方になるが、5名の犠牲者で禁止されるのであれば、交通事故による死亡者を量産する車は廃止したほうがいい。
今回の規制…生食用とされていた牛肉の「ユッケ」「牛刺し」「牛タタキ」等は規制され、加熱用とされていた牛肉の「レアステーキ」は規制外となっているという。生食用より、加熱用の牛肉のほうが生で食べるのには安全だということか?
本来、レアというのは生のようにみえて、余熱で火が入っている状態。牛タタキのようなものはブルーと呼ばれる焼き方。でも、ちゃんとしたレアを焼ける技術を持ったファミレスは無いと思ったほうがいい。だからかな?某ステーキチェーン店で「レアは出来ません。」と断られたことがあったな。それはそれで正しい店だね。
そもそも、レアステーキが規制から外れた理由は、「ステーキでの食中毒事例の報告が無いから。」というだけの話らしい。科学的根拠など無い。
某焼肉店では「レアステーキ ユッケ味」というものを出しているらしい。これは牛タタキと変わらぬ調理法だが、規制の対象外になるという。
責任の擦り付け合いのイタチごっこ。
焼肉屋さんで、焼くことを前提に出した皿の上の肉を、お客様が勝手に焼かずに生で食べてしまった場合はどうなんだろう?
なんだか腑に落ちないモヤモヤが続く。
お隣、韓国では非常に厳しい基準をクリアした牛肉のみ、ユッケとして提供されるんですってよ。いっそ、旅行を兼ねて『韓国ユッケツアー』でもいかがですか?
・・・僕の実家は旅行会社です(笑)
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