ミツバチの羽音と地球の回転

まず、最初に言っておかなければならないこと…深谷シネマは良い映画館だ!あんなに心地良い映画館の椅子は初めてだ。上映前にスタッフさんが、パンフレットなどの宣伝にスクリーンの前に現れるのも、なんだか旅役者さんの舞台が始まるようで好感が持てた。
さて、本編。『ミツバチの羽音と地球の回転』の映画についてである。
映画の中で中国電力の社員さんは、抗議のために船を出した祝島の皆さんに言っていた。「絶対に海を汚すようなことにはならない。」と…。
原発建設に反対する祝島の方は言っていた。「軽々しく、絶対などと口にするな!」と…。
その“絶対”の答えが、今、福島県でおこってしまっている現状なんだと思う。
便利に慣れすぎた現代の日本人は、様々な“進歩”と言われる技術を過信しているのかもしれない。
自然の力をよく理解しているのは、机に向って仕事をしている人ではなく、汗水たらして働いている農業や漁業をしている人なのだろうね。
自然との上手な関わり方、利用の仕方の糸口として、北欧での取り組みも取材されていた。凄く関心を持ったよ。
ある漁師さんが言っていた。「中電の社員は原発に反対したらクビになる。可哀想なもんだよ。」って。それも解る。
このドキュメンタリーは、是非、高校生に観て欲しい。各高校で上映すればいいのになぁ。
僕が高校生の頃に、この映画に出会っていたら、進むべき道が違っていたかもしれない。(危機感なんて欠片もなかったから寝ちゃうかもしれないけど(笑))
知識の薄い僕が発言するのも失礼だが…何十年たっても最終処理場も決まらないほどの危険を孕んでいる<原子力>の有効利用は人間の力量では無理な気がします。人間は自然のうえに成り立ち、自然を超えることは出来ないと思うから。
CO2削減を看板に奨められた原発ですが、地球温暖化の面では、それすら眉唾ものという意見もあります。
Twitterでも、福島の事故以降、原発推進派の意見を見かけることが少なく…むしろ無くなりつつあります。
映画を観ただけでは全てを理解は出来ないのだけれど…僕の意見は変わりません。
「僕は原発を廃止して欲しい。…理由は怖いから。」
兎に角、自分でこのドキュメンタリーを観て、自分なりの意見を持って欲しい。それが、“ミツバチの羽音”になると思う。
あとは、節電の不便を楽しむ自分を作れるかどうか?だね。電力問題を訴える映画を、たいして暑くないこの時期に、クーラーのきいた映画館で観た感想でした。

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